急性期病棟などにいる看護師さん
摘便できますか?
私は、
専門病院に3年
大学病院に3年半
クリニックに勤務歴があります。
摘便は看護学校で習っていたものの
上記の勤務歴で 摘便は1回しか実施したことがありません。
しかし
訪問看護、施設看護となると摘便は必須技術のなります。
摘便がまさかこんなにも必要になるとは!と思いました。
摘便のコツや注意点など、まとめてお伝えします。
高齢者と便秘
在宅、施設勤務をしていると、高齢者の便秘は非常に多いです。
理由は以下の点が挙げられます。
①加齢により、排便に関する神経や腸蠕動運動などが低下する。
=大腸の食物残渣の通過時間が長くなる
②便意を感じる直腸の感覚が鈍くなる
③運動量の低下や食生活の変化
④水分摂取量が不足している
高齢者に便秘が多くなる理由が納得できます。
便秘がもたらす高齢者へのデメリット
便秘のメリットはありません 笑
デメリットばかりです。下記にまとめました。
- お腹が張る、腹痛、食欲低下などが起こる。
- 硬い便の排泄で、痔になる可能性があります。
- 長年放置することで、大腸がんや腸閉塞、憩室炎などのリスクが高まる
- お腹が張って苦しい、トイレに行くと時間がかかる、などの精神面でのストレスがかかる

便が出ず、苦しさで不穏になる人もいましたよ。
不穏になることで、介護する方の負担が増加します
排便のコントロールは訪問看護、施設看護では非常に大切になります。
便秘時の看護
便秘のある方への看護として以下の視点が必要となります。
①水分の摂取
②食物繊維の摂取
③薬剤の使用
④浣腸
⑤摘便
①〜⑤について訪問看護の視点で解説していきます。
①水分摂取
生きていくうえで、水分摂取は非常に大切です。
人間が1日に必要な水分量は2,5Lと言われています。
食材などからも水分を摂取できることを考えても、1Lは取れることが理想です。
しかし、嚥下が難しい方や状態があまり良くない方などは500ml以上取れていればよいでしょう。
②食物繊維の摂取
「食物繊維を含んだバランスの良い料理を・・・・」
と指導して、
誰が作りますか?
買い物、誰が行きますか?
病院の一般的な指導をしても、高齢者の生活には当てはまりません。
高齢者がお料理を作るのは大変です。
すべて自分で料理する方は珍しい印象です。
出来合いのものを買う方
お弁当を取っておられる方
個人の食事背景を考えての指導が大切になります。
病院の退院指導のような一般的な便秘指導は役に立たないことが多いです。
④薬剤の使用
便秘薬は多種多様にあります。
これについては、また次の機会にまとめたいと思います。
(これについて、一記事できてしまうので、今回は割愛します)
摘便につてい
それでは本題に入っていきます。
摘便とは?
用手的に肛門〜直腸に溜まった排便をかきだし、排便を促す方法です。
摘便NG対象者
・肛門の疾患ある方(出血しやすい痔、腫瘍などがある方)
・肛門手術直後
禁忌ではないが注意する対象者
・抗凝固薬など内服しており、出血しやすい人
・重度の心疾患、冠動脈疾患がある人
準備物品
- 手袋(利き手は手袋2重にします)
- おむつや吸水シート
- 潤滑剤
- 陰洗ボトル(お湯で洗い流せるボトルであればなんでもOK)
- おしりふきやテッシュ
- ビニール袋(汚染を捨てるためのもの)

実践
①状態観察
バイタルサインを測定の後、全身状態を観察しましょう。
③準備物品をベット回りに準備
このとき、必ず便を書き出す方の手の手袋は2重にしてくださいね。
もし、手袋が敗れた場合の防御にもなりますし、1枚剥いだらその後の処置に進めます。
②利用者さんに左側を下にして寝てもらいます。
⇒なぜ左を下にする?
解剖学的に腸管が下垂し、S状結腸や腸がまっすぐになるため、腸穿孔のリスクが低くなります。
④便を書き出すほうの手に潤滑剤をしっかりつける。
しっかりつけないと、痛みが出ることがあるのでしっかりつけてくださいね。
⑤指を利用者さんの背部の肛門に沿って挿入します。
このとき、口で息を吐くように促してください。
肛門が弛緩し摘便しやすくなります。
肛門が閉まってしまうと、摘便しにくくなるうえに痛みを誘発し、摘便がやりにくくなります。
⑥摘便する
挿入から4センチ付近にある便塊をかきだします。
便が大きく硬い場合は砕いて掻き出します。
粘土状の場合は、利用者さんの背中側の直腸を押し広げてください。こうすることで、便が排泄しやすい場合があります
⑥洗浄
汚れた部分をお湯などで洗浄し、拭き上げる。
⑥衣類を整え終了
利用者さんの状態観察し処置終了とします。
まとめ
在宅・施設では、便秘になる方が非常に多いです。
薬剤ももちろん併用しますが、介護負担を考えるとやや硬めの便にしておく方が多くなります。
訪問日に摘便し、排便を促すというケースが多いです。
そのため、訪問看護師にとって、摘便は必須技術。
いざ、摘便するにも
「どうすればいいのか?」
「コツはないのか?」
と慌てないよにまとめました。
在宅で過ごされる高齢者の方が少しでもよりよく過ごされますように。
看護師のみなさんは、よりよい看護が提供できるようにしていきましょうね。


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